イスラエル・トルコ旅行記 移動日(3/12)

今日も良く晴れた、旅立つにはふさわしい天気だ。いつもその国に滞在する最後には、自分にとってどんな国だったかを思う。どの国ももちろん魅力はあるが、他にも行きたい国がある中でまた来たいと思うかどうか。残念ながらそう思わなかった場合、おそらく一生来ることはないだろう。そう思うと少し寂しくなる。
イスラエルは楽しい国だった。物価が高いのがたまに傷だが、テルアビブとエルサレム新市街の洗練された、欧米とは違った独特な雰囲気、それとは対照的な旧市街の宗教色強い街並みや人々。少し歳をとってからまた来たいと思う。

トルコへのフライトは昼の3時50分。少しくらい観光できるかと思ったが、逆算すると十分な時間はない。

チェックアウトを済ませて、朝食を買おうとconfixに立ち寄った。さまざまな種類のパンが並んでいて、注文するとオーブンで焼きなおしてくれる。これで5NINは本当にありがたい。

清潔感のあるいい宿だった
昨日の夜にオープン時間を聞いたあと、come back tomorrowと言ったら爆笑された

時計を見るとベン・グリオン空港行きのバスまで時間がないのに気づいたので足早に向かう。
スマホの地図アプリによると、このまま歩くと10時55分にバスステーションに着くらしい。バスの発車は11時ちょうど、ギリギリだ。次のバスは1時間後になる。

途中市場のような通りに出た。地元の人が来るような雑貨屋、カフェが並んでいる。ホテルからそう遠くない距離にこんなところがあるとは。もっとじっくり見て回りたかった。

暇そうにしている
暇そうにしている
スパイスだろうか
スパイスだろうか

重い荷物を持って早歩きするのに疲れてきた。トラムの線路沿いをずっと歩いているのでトラムで行こうかずっと迷っているのだが、トラムの時刻表が見当たらずどれくらい待つのかわからない。それなら歩けば確実に間に合う徒歩を選んだが、数本のトラムに抜かされると悔しくなる。

やっと空港行きのバスステーションに着いたのが発車7分前。少しはゆっくりできそうだ。
confixで買ったパンを食べていると、バスが来る前にバン型のタクシーがやってきた。エアポート!エアポート!と言っているので空港行きなのだろうが、基本的に海外では公共でない乗り物は警戒することにしているので耳は貸さない。
しかし待てどもバスがやって来ない。インドみたいに5時間遅れるような国ではないので不安はないが、タクシーがずっとエアポートバスより安い値段を大声で連呼している。
大丈夫そうならタクシーでもいいかもな、と運転手に話しかけてみる。
イッツジャストフォーティーン? ワン フォー、ライト?
40NINではないのを確認してからタクシーに乗り込む。数分して他の客もドカドカ乗り込んできてから出発した。

485のバスで空港に行ける
485のバスで空港に行ける
confixで買ったパン
結局乗ったタクシー

昼ごろに空港に到着したが、まだ離陸まで4時間近くある。他の空港なら2時間半前くらいに着いていればいいだろうが、ここベン・グリオン国際空港は3時間前には到着していなければならないらしい。ネットで調べてみると、入国は簡単だが出国手続きの荷物検査が厳しいらしく、今まで行ったのどの国よりも厳しいとかいう意見もたくさん見かけた。ある旅行者の情報では、自席に持ち込む手荷物検査が厳しいので、できるだけ預け入れをしたという話があった。
バックパック一つなのでいつもなら全部機内に持ち込むところだが、その話もあって今回は必要最低限以外は預けることにした。

空港に到着。ここから電車に乗ったのがもはや懐かしい。
空港に到着。ここから電車に乗ったのがもはや懐かしい。
空港内
空港内

預入荷物の受付には誰もおらず、結局1時間待たされてようやく動き出した。
割とスムーズに流れているようだが、自分の番になり受付の女性にパスポートを渡すと、神妙な顔になり電話をかけ始めた。おそらくヘブライ語なので何を話しているかわからないが、日本人を表す「ヤパニ」だけ聞き取れた。そして「そのまま行きなさい」と言われた。結局バックパックは預けられなかった。


そのまま通路を歩いて行くと、だだっ広い手荷物検査場に着いた。4.5レーンはあるだろうか。検査は確かに厳重で、電子機器だけでなくカバンの荷物を全部出されている人もいる。
検査の前にパスポートを見せ、検査官の持つ何かのリストにチェックが入る。ベルトコンベアに荷物を乗せると僕もバックパックの中を出すように言われ、金属探知機でパスポートの表裏やポーチの中をくまなく検査された。
ようやく検査が終わりベルトコンベアから出てくる荷物を待っていると、また僕の荷物が引っかかったようだ。CTスキャンされた画像を見ながら数人が話し合っている。荷物から一眼カメラが取り出された。カメラが?別に何も仕込んでいないのに。後から来た女性だって同じような一眼を持ってるのになぜ自分だけ調べられるんだろうか。女性と目が合うと、「まったく面倒な検査だよね」とお互い苦笑いをした。
10分ほどしてある検査官がつかつか歩いてきた。こっちに来て、と別室に連れていかれ、さらに中身を検査されることになった。
ここにもCTスキャンがあり、カメラだけ何度もスキャンしたり、レンズを取り外して肉眼でくまなくチェックしたりしている。カメラを持って色んな職員に聞きに回っている。説明しているそぶりからすると、中にあるミラーが何か問題のように思える。
どれくらい待っただろうか。結局「このカメラは機内持ち込み荷物としてでなく、預け荷物として持っていく」と言われ、目の前で梱包材で巻かれ運ばれていった。

1時間以上は拘束されただろうか。やっと解放された気持ち良さからビールでも飲みたいが、残ってるのは20NINだけ。朝からパン一つしか食べていないので腹も減っている。ビールを飲むと何も食べられない。迷ったあげくプリングルスと水でしのぐことにした。

キッコーマン
キッコーマン

離陸して2時間もしないうちにトルコのイスタンブールに到着した。
預け荷物を受け取りに行くが見当たらない。数十分しても見当たらないのでロストバゲッジだろうかと思いインフォメーションで聞くと、ダンボールの荷物なら別で届くから少し待っててくれと言われた。よかった一安心だと思って振り返ると、用意されていたように荷物が置いてあった。驚いた。

いくら待っても荷物は来なかった
いつの間にか置いてあったカメラとバックパック
いつの間にか置いてあったカメラとバックパック

イスタンブールはいつくかのエリアに分かれている。
そもそもトルコの地形自体、エジプトの上にある、アジアから出っ張った部分と思っていたが、ヨーロッパ側にも少し領土があり、イスタンブールはその端っこに位置している。
今回泊まるホテルは旧市街のファーティヒというエリアにある。有名なトプカプ宮殿のすぐそばらしい。
ホテルへの行き方については渡航前に何度かやりとりをした。空港からの送迎は36ユーロ、またはタクシム広場というイスタンブールの要所からタクシーもしくはケーブルカーで行けるらしい。送迎は高すぎるので調べてみると、空港からタクシム広場まではバスが出ているようだ。

ATMでキャッシングし、タクシム広場行きのバスへ向かう。いつのまにか夜の9時。外は大雨だ。

バスの中。wifiがあったが繋がらなかった。
バスの中。wifiがあったが繋がらなかった。

バスで1時間ほど走ってタクシム広場周辺に着いた。
さっきより雨足は強くなりすぐに体が冷えてくる。イスラエルよりもずっと寒い。
早くタクシー捕まえようと歩いていると、初老の男性が話しかけてきた。
「タバコの火ある?」
「いや、持っていないんだ」
「そうか、イスタンブールは初めて?」
「そう、初めて来たんだけど大きな街だねえ」
「いい所だよイスタンブールは!あ、タクシー乗り場はあの辺だから」

だんだん打ち解けてきたのはうれしいが、
「どこに観光に行くつもりだい?イスタンブール来たなら女だよ!ロシア、ウクライナ、フィリピン、色んな子がいるからね!今から一緒にいかない?」
「えっ今から?奥さんいるし別に興味ないからやめておくよ」
「いやいや興味ないなんてことないだろう!俺も奥さんいるけどね、いつも肉を食べてると魚を食べたくなる時もあるだろう?」
全く興味がないことが伝わったのか、
「じゃあ今から一杯だけどうだい?ラキは知ってる?有名なうまい酒なんだ、一杯だけ!」
「今トルコ着いたばかりで疲れてるから今日はやめておきたいな。明日ならいいんだけど」
「ノー!明日は仕事なんだ!行くなら今しかないんだ!一杯だけ!」
面白そうな人だしちょっと行こうか迷ったが、執拗に誘ってくるようでどうも怪しいと思ってしまう。そして今決断しなければいけないことにも違和感を感じて、結局行かないことにした。

そうか、タクシー使うんだろ?なら俺が話つけるよ、とそこらにいるタクシーに話しかけてくれた。ホテルの話ではここからホテルまで20リラ(400円)が相場らしいが、40リラかかるようなのでパスだ。
もう一台、話しかけてきたタクシーに聞いてみると25リラだという。
「もう遅いし雨降ってるし、普段より高くなるのは仕方ないよ」
確かにそうかもしれない。最後に彼のwhat’s app IDを聞いてホテルへ向かう。

イスタンブールのタクシーはぼったくりも多いらしい。まずはメーターきちんと回してるか確認した。
「25リラくらいなんだよね?」
「遠いからなあ、25から40リラかな」
「えっ?そんなに料金に開きはないだろう、どういうことだ?」
ドライバーは少し面倒そうに
「オーケーそれならわかった」
とメーターを止めてしまった。
何でメーターを止めるんだ、とも言いたかったが、ホテルまで40リラだとしても800円、相場と400円の差ならもういいと思ってしまった。
とはいえ納得はいかないので、ホテルに着いて料金を払うところでもう一度話してみた。
「結局最初に25リラって言ったのになんで25リラから40リラって差があるんだ?」
「わかったわかった35リラでいいよ」
少しでも値下げしたならまあいい。
「15リラのおつりね」
50リラを渡してそう言うと、ドライバーが答えた
「スリーハンドレッズフィフティー」
?何を言っているのかわからずwhat?と言うと、外の寒さで結露した窓ガラスに数字を書きだした。
350
???一瞬頭が混乱した。俺がおかしいんだろうか?1リラ20円だと思ったが、まだトルコに慣れていないから間違ったんだろうか。その換算なら日本円で7000円になる。
いやどう考えてもおかしい。こっちが観光客、さらに日本人だと思ってふっかけてきている。
「ノー。35リラだって言っただろ。だから50リラ出すから15リラ返せよ」
「ノーノー350リラだよ」
しばらくやり取りをして折れたのか、
「ああ50リラ札くれたんだね。5リラだと思った」
だからといって350リラになる理由にはならない。これ以上ふっかけられたくなかったので、
「ふざけんじゃねえよ!!」
と日本語で悪態をついた。少し態度が変わったようだったが
「5リラのおつりないんだけどもう5リラある?」
「持ってない」
そう言うとちょっと両替してくると外へ出て行った。
5リラのおつりはいらないと言うとでも思ったんだろうか。
15リラのおつりをもらって車を降りたが、よく見ると店によっては使えない、破けた紙幣が混じっていた。
とことんだな、と少しおかしくなってしまった。
今まで旅行してきた東南アジアのようだ。最初からもっと身構えていればもっと注意深くタクシーに乗っただろうが、イスラエルの人たちがみんないい人だったのでそのつもりでトルコに来てしまった。

ホテルに入ると、受付には気の良さそうな老人男性がいた。伝えていたチェックインの時間よりだいぶ遅くなってしまった。
ホテルは古いが清潔感がある。ボロではなく老舗といった感じだ。
「宿泊料金を払ってくれないか。80ユーロだ」
ユーロで支払うとは思わなかったので持っていないし、そういえば空港では最低限しかキャッシングしていない。
リラだといくら?と聞くと新聞を取り出し、虫眼鏡でレートを探し出した。てっきりスマホを使うのかと思ったが、このアナログさも趣がある。どちらにせよ持ち合わせがないので明日払うことになった。
泊まる予定の部屋が空いていないらしく、今日だけここに泊まってくれ、と3人部屋に案内された。思いがけずいい待遇になった。

食事を取ろうと外に出るが、もう11時を回っているし、さっさと部屋でゆっくりしたい。結局ケバブとビールを持ち帰ることにした。
思えばイスラエルではドミトリーだったので久々の個室だ。ずいぶん気が楽だ。
さっき会ったおじさんが気になっていたのでネットで調べると、今まで行った国同様色々なサギが出てくる。ぼったくりバーに連れて行くサギも多く、観光客に話しかけ、仲良くなってから飲みに誘い法外な会計をふっかけるらしい。
全く同じ手口じゃないか。怪しいと思えて良かったが危機感が足りなかった。さっき聞いたwhat’s appのIDはすぐに削除した。

窓からの景色。飲食店が並ぶ。
やっと一息
やっと一息

そういえばイスラエルにいた時よりずっとうまくやり取りができていると思ったが、トルコの人たちがイスラエルみたいに流暢でないからだ。文法が間違ってるとかよりも、ゆっくり話すので安心してコミュニケーションが取れる。

今日は面倒なことがたくさんあったが、終わってみればいい刺激だった。明日も寒いらしい。

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