キューバ旅行記 14日目( 3/1 完結 )

おっさんもいい人だった

午前2時10分のアラームが鳴った。10時にベッドに入ったが結局全く眠れなかった。
オーナーと挨拶しタクシーで空港へ向かう。夜中だと半袖では少し寒い。郊外に出ると砂ぼこりが本当に多く、鼻がムズムズしてきてしまった。

30分ほどで空港に着いた。意外に人が多く、チェックインカウンターには列ができている。カウンターはまもなく開き、預け荷物もないのですんなりチェックインできた。
税関を通ると土産屋が立ち並んでいるが、ほとんどが閉まっている。少しcucが残っていたので安い土産を買い、小腹が空いたのでカフェでサンドイッチを食べた。とうとうキューバを離れるのか、という感慨よりも、これから行くメキシコは本当に大丈夫だろうかという思いのが強く、少し緊張している。

お土産屋が並ぶが全部は開いていない

お土産屋が並ぶが全部は開いていない


これで3cucとやっぱり高い

これで3cucとやっぱり高い

少し仮眠してから飛行機に乗り込む。たぶん20分くらいしか眠っていないが、それでも少しましになった。朝6時、ちょうど機内に朝日が差し込んできてた時にとうとうキューバを離れた。

飛行機の中でずっと寝ていたので、到着する頃にはだいぶ頭が冴えてきた。あんなに頭が働かない状態で治安の悪いメキシコにいたら、判断を間違って強盗にでも遭うんじゃないかと思っていた。

メキシコには前から行きたかったわけではない。以前はメキシコといえば陽気なイメージを持っていたが、近年では麻薬組織とか強盗とか、危険だと感じるようになってしまった。しかしちょうど経由地のメキシコに長くいられる航空券を見つけ、せっかくだし観光もしてみようと思って取った。
「メキシコ 治安」で検索すると、スリやひったくりに注意とか、挙げ句の果てには銃を突きつけられた時の対処法まで載っている。

中でも気をつけなければいけないのがタクシー強盗だ。よくあるケースでは、赤信号で止まっていると、いきなり外から押入られ金品を奪われたり、強盗犯が盗んだタクシーで運転手になりすまし、人気のない場所に連れて行き金品を奪うなどがあるようだ。使わないに越したことはないが、空港の徒歩圏内には観光地がないのでタクシーを使う必要がある。バスや電車もあるが、まだタクシーの方が安全なようだ。
というのも近年メキシコでは観光客確保のため、犯罪の取り締まりに力を入れていて、安全なタクシーもあるようだ。

メキシコのタクシーは大きく分けて安全なタクシー、できれば控えておいた方がいいタクシー、観光客は乗るべきでないタクシーがあるらしい。
まず安全なタクシーは、一つは空港に常駐しているものだ。空港のカウンターで受付し、チケットをもらって指定されたタクシーに乗るらしい。もう一つは高級ホテルなどから頼めるもの。だいぶ料金はかかるようだ。あとはシティオという予約制の無線タクシー。電話で呼び出し指定した場所に来てもらうか、シティオ用の乗り場に行けば乗れるらしい。
できれば控えておいた方がいいタクシーはリブレと呼ばれる金色とえんじ色のものだ。政府の認可は降りているがぼったくりなどのトラブルはよくあるらしい。
最後に観光客が乗るべきでないタクシーは政府無認可の白タクと呼ばれるものだ。これに乗るとそのまま連れ去られたり強盗に遭う可能性が格段に上がる。認可タクシーはナンバーがAかBから始まるが、無認可タクシーは3ケタの数字と3つのアルファベットのナンバーだったり、そもそもナンバーがないらしい。
他にもバスや地下鉄で移動ができるが、考えた末タクシーが一番安全だろうと判断した。


飛行機を降りてまずは両替をした。往復の交通費、ランチ代とお土産代+αに加えて、強盗に遭った時に出す分も含めて約8000円分。強盗に渡す分の財布を別に用意しておいた方がいいことはあとで知ったが、お金は分散させればまあいいだろう。
次に荷物を預けることにした。単純に重いし、何かあった時に盗られるものは少ない方がいい。
念のためもう少し現金を持っておこうと思い、クレジットカードを使ってATMでキャッシングしようと思ったが、このカードは使えませんと表示される。そんなバカなと思ったが、他の銀行のATMでも同じく下ろすことができない。仕方なく預けた荷物をまた引っ張り出し、予備のカードでキャッシングした。
日本に帰ってから知ったが、使えなかった楽天カードはこの時障害があり使用を停止していたらしい。

荷物を預けるロッカー。一日800円ほどだったか。

荷物を預けるロッカー。一日800円ほどだったか。

空港のターミナル1のスタバにはfree wifi があり、その近辺にいればネットは使えるらしい。隣の店でハンバーガーを食べながらこれからの予定を立てる。観光名所は点在しているようだが、とりあえずソカロ広場という所が中心になっているようだ。ただその近くにテピト地区という、地元民でさえ行かない危険な場所があるらしい。他にもwifiが使える場所などを調べてから、とりあえずソカロ広場へ行くことにした。
空港専用タクシー乗り場へ行き、ソカロ広場を告げると何やら紙に書いて手続きしてくれた。220ペソ、1200円くらいかかるようだ。すぐに案内係が手招きしてタクシーに乗り込む。

地下のタクシー乗り場を抜けると、真夏みたいな青い空と強い日差しが目に刺さる。たくさんの看板、車、お店。空港内の落ち着いた雰囲気から一気に景色が賑やかになる。やっぱりキューバよりは都会だ。
メキシコの公用語はスペイン語で、キューバと同じく英語はあまり話されていないようだ。この運転手も同様だが、ようこそメキシコへ!とかメキシコどうだい?くらいの会話ならなんとかできる。走る車でよく目につくのがピンクと白にCDMXと書かれたタクシーだ。あれはシティオ?と聞くとそうだと答えてくれた。あれだけ街中に走っていれば乗るのは簡単そうだと思いホッとした。

怖いから写真はこっそり

怖いから写真はこっそり



運転手は音楽を聴いているんだろうか

運転手は音楽を聴いているんだろうか

途中、上野のアメ横みたいにごちゃごちゃした通りがあった。ソカロは全然危険じゃないと話していた運転手も、ここは危険だという。おそらくここがテピト地区だろう。あまり凝視しないようにした。

テピト地区近く

テピト地区近く


だだっ広い広場と大きな教会に着いた。ここがソカロ広場だ。少し周りを歩いてから、まずは教会に入ってみることにした。
中は薄暗かったがその荘厳さに圧倒されてしまった。いつ作られたものなんだろうか。なんだかひれ伏したくなるような圧倒的な迫力があった。
ソカロ広場

ソカロ広場


何か伝統的な催事をしていた

何か伝統的な催事をしていた


靴磨き

靴磨き



中ではミサが行われていた

中ではミサが行われていた


ここは隔離された部屋のようになっていて、正面からミサが見える。

ここは隔離された部屋のようになっていて、正面からミサが見える。


一つ一つ表情が違う。入るのには80円ほど。

一つ一つ表情が違う。入るのには80円ほど。



よく見えないけどミサの様子

よく見えないけどミサの様子



思いの外長い時間費やしてしまったがいいものを見れた。どこへ行こうかと思っていると、インフォメーションを見つけた。ワックスをビシッと決めた青年が地図をくれた。一応危険な場所も聞いてみるとやはりテピト地区で、ペンで印をつけてくれた。また帰りが心配だったのでシティオ乗り場を聞くと、シティオならあそこで待ってれば来るよと教えてくれた。これなら安心だ。

インフォメーション

インフォメーション


何か商売をするのだろうか

何か商売をするのだろうか


地図を広げるがよくわからないので、とりあえず栄えてそうな方へ歩くことにした。写真をたくさん撮りたいが、一眼だと金持ちに思われ狙われそうなのでスマホのカメラで撮る。リュックも前に背負う。
一見とても賑やかで、道行く人は楽しそうに歩いていて、とても物騒な街には見えない。

建物の中に横丁のような通りが見えたので入ってみる。古銭屋や時計屋、飲食店などが立ち並ぶ。その中でタコスの屋台があったので頼んでみた。トッピングは自分でかけていくようだが、何をかけようか見ていると周りの人がこれをかけろと教えてくれた。
食べてみると口から火が出るほど辛くてびっくりすると、これまた周りの人がライムをかけろと教えてくれた。いい人たちじゃないか。

横丁のような通り

横丁のような通り



しばらく歩くと公園があり、立っている看板を見るとwifiが使えるようだ。
外はだいぶ暑い。水分補給しながらネットで調べ物をする。お土産を買える所を探していると、そう遠くない所にお土産の市場があるのを見つけた。シウダデラ市場というらしい。

接続方法もきちんと英語で書いてある

接続方法もきちんと英語で書いてある


アジア料理屋

アジア料理屋


WELCOME TO THE DOPE HELL

WELCOME TO THE DOPE HELL


ここでもタコスが人気

ここでもタコスが人気


のび太に似ている

のび太に似ている


メキシコ名物っぽく、こんな売り場がそこら中にあった

メキシコ名物っぽく、こんな売り場がそこら中にあった

しばらく歩いて、小腹が空いたので目の前にあった店へ入ることにした。タコス屋だがさっきの屋台とは違ってだいぶ清潔感がある。ビーフとポークの乗ったタコスを頼んだが、さっきと比べると倍以上とだいぶ高い。それでも味はなかなかうまく、しっかり腹にたまった。

タコスの皮をひたすら作る人、アボカドをくり抜く人など役割が徹底していた。

タコスの皮をひたすら作る人、アボカドをくり抜く人など役割が徹底していた。



それにしてもこれまででCDMXの文字ロゴを何度見たことか。「メキシコの首都」の意味らしいが、メキシコが観光に力を入れているのが本当によくわかる。街中にあるので見かけるとなんだか安心すらしてしまう。メキシコ政府がちゃんと見てるんだという気になる。

途中入ったスーパー

途中入ったスーパー


ピンク感がすごい

ピンク感がすごい


途中電気屋を通りかかって、見たことのない様々な種類の電球を見て心が踊った。それと同時にこの感覚がキューバでは感じなかったことに気づいた。そうか自分は他の国の独自の、いろいろな文化を見るのが好きなんだ。売られている商品も文化の一部だが、キューバには商品の種類が少ないからこの感覚は味わわなかったんだ。文化だけでなく商品を見るのも好きなことに気づいた。

心躍った電気屋

心躍った電気屋

市場が近づいてきたが、外見からはあまり市場とわからない。だが中に入るとすごい数の民芸品が並んでいる。置き物、布製品、おもちゃなど種類もたくさんある。


ツムツムっぽい

ツムツムっぽい



トイレは有料。入り口で紙を少しくれる

トイレは有料。入り口で紙を少しくれる


あらかた買ったところでもう夕方、日が暮れる時間だ。飛行機には余裕があるが、治安を考えると暗くなる前に空港に着いておきたい。とはいえあともう一回と屋台でタコスを食べた。やっぱり辛いがライムをかけると辛さが引いてうまくなった。怖そうなおじさんだが、うまいねこれ!と言うとそうかそうかとスープをサービスしてくれた。
こういった具合に屋台が並んでいる

こういった具合に屋台が並んでいる



おまけのスープ

おまけのスープ


おっさんもいい人だった

おっさんもいい人だった

ソカロ広場に近づくと、路上でライブをする人をよく見かけるようになった。日本のようなアコギの弾き語りではなく、ドラムセットやアンプも用意した完全なバンド形態だ。夜になるとあちこちでライブが行われるんだろうか。

少し物騒な気配

少し物騒な気配


ソカロ広場に着き、CDMXの催し物をやっているスタッフにシティオ乗り場を聞くと、すぐそこだと連れて行ってくれた。バスの停留所のような所に制服を着たおじさんが腰掛けていた。スタッフがタクシーを手配するようおじさんに伝えてくれた。10分ほどでタクシーがくるらしい。
やがて白とピンクのCDMXのタクシーがやってきた。もう空港に向かうのが少し寂しい。危険なこともなかったし、もう少しいてもよかったかもしれない。

自転車をレンタルできるようだ

自転車をレンタルできるようだ

タクシーに乗り込み運転手の写真と車内に提示してあるナンバーを確認する。料金メーターもちゃんとある。うん、大丈夫そうだ。車が走ってすぐに空が暗くなってきた。途中すれ違った車は白とピンクではあるがCDMXの文字がなく、運転手もヤンキーっぽく運転も荒かった。信号で止まった所では、ひょろ長いリブレの運転手とビートルに乗った競馬場のおっさんみたいな流しの運転手が車の外で話していて、人を殴る素ぶりをしながら笑っている。なんだか少し怖くなってきた。早々と空港に向かって正解だったかもしれない。

車内にもナンバーが書いてある。ちゃんとAから始まっている

車内にもナンバーが書いてある。ちゃんとAから始まっている


暗くなると少し物騒

暗くなると少し物騒


CDMXのロゴがないタクシー。へこんでいる。

CDMXのロゴがないタクシー。へこんでいる。


大通りでは渋滞に巻き込まれてなかなか進まない。止まっている車には物売りが近づいてくる。この辺はアジアと同じだ。
他の車を見ているとおかしなことに気づいた。シティオのはずなのに車の頭に「Libre」と書かれていたり、車体に書かれているナンバーと実際のナンバープレートが違っていたりする。
もう何が正しいのかわからなくなってきた。
無事に空港に到着し、料金を払う時に聞いてみた。
「このタクシーはシティオだよね?」
「そう、シティオだとも」
車を降りて、実際のナンバーを確認してみようと走り去るタクシーを見て驚いた。なんとナンバーすらなかった。一番危険な白タクに乗っていたのだ。そういえば料金もシティオにしてはずいぶん安かった。流しにしては高い料金でぼったくられたくらいでよかったが、運が悪かった時のことを考えるとゾッとした。最後の最後でメキシコの洗礼を受けてしまった。
ナンバープレートではなく、車体に直接書かれている

ナンバープレートではなく、車体に直接書かれている

あとでもう一度調べてみると、白にピンクのタクシーはシティオではなくリブレだったようだ。最初から間違っていたとはいえ、タクシーが来た時点でナンバーを確認すべきだった。とはいえ最初にそのタクシーはシティオだと言われ、シティオ乗り場と言われた場所に制服の男がいて、その男が呼んだタクシーならシティオだと思ってしまうだろうという気持ちもある。でも危なかったのは事実。慣れた頃が一番危ないということを実感した。

タクシーに乗る前。よく見るとナンバーがない。

タクシーに乗る前。よく見るとナンバーがない。




夜中1時に出発し、日本に着いたのは翌日朝6時。14時間半のフライトだった。家に帰る途中大通りを歩いていると道路標識が目に入る。読めてしまうのになんだか違和感を感じる。
キューバは安全だしまた行ってみたい。今度はもっときちんと調べてから、もちろんメキシコ経由で。

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