2/25 バンコク観光(1)

ホテルで朝食にパンを食べ、9時には外へ出かける。
東京と同じような都会かと思ったが、ローカルな屋台も多く出ていてうまそうだ。とはいえ腹を下すかもしれないという気持ちがあり、食べるにはまだ抵抗がある。



マクドナルド。手を合わせている。

マクドナルド。手を合わせている。

20分ほど歩いて観光地の王宮まで来たが、中国人の団体がそこら中に溢れており、ゆっくり観れそうにない。改めて朝食を取り、もう一つの観光名所のワット・アルンに行くことにした。
バス

入口はすごい人。

入口はすごい人。



地図によるとワット・アルンは船で川を渡った先にあるようだ。
王宮近くのチケット売り場でワット・アルンに行きたいと伝えると次の停留所で10バーツ、30円だという。売り場を抜けるとすぐに川が現れ、いくつもの船がギザギザに交差しながら行き交っている。乗客が乗り込むと船は大きく揺れながらゆっくりと出発した。
強い日差しが川にキラキラ反射して少しまぶしい。風は穏やかに流れ、向こう岸までほんの少しの距離なのにとても贅沢をしているような気分だ。
運転席には色々なものが飾ってある。

運転席には色々なものが飾ってある。




ウィスット・ポンニミットの描いたマムアンちゃんがお出迎え。

ウィスット・ポンニミットの描いたマムアンちゃんがお出迎え。


すぐに停留所に着いてしまったが、ワットアルンは少し離れているように思える。とにかく地図を見ながら歩けば着くだろうと船を降りると、目の前の通りにはマーケットが広がっている。
おもちゃ、洋服、フルーツやフードの屋台など、様々な物を売る店がずっと奥まで続いている。

たこ焼きも売っていた

たこ焼きも売っていた


いい笑顔

いい笑顔




屋台を抜けて15分ほど歩いてやっとそれらしき建物を見つけた。入口がやけに小さいので裏側かもしれない。
一部が改修されているのが残念だが、それでも装飾がとても凝っている。改めて、カンボジアとは違う国に来たことを実感した。

マッサージの看板

マッサージの看板




ワット・アルン

ワット・アルン


よく見ると皿が埋め込まれている

よく見ると皿が埋め込まれている


改修中

改修中



船で再び王宮側へ戻り、今度はワットポーを観に行くことにした。寝仏で有名らしい。
その大きさにも驚いたが、特に感銘を受けたのはその足の裏だ。区切り一つ一つに色々な世界が描かれていて、それを足の裏に治めている仏はまさにこの宇宙を統括している、といったメッセージだろうか。それ以外にいくつも建物があり、2時間も滞在してしまった。

寝仏

寝仏



足の裏

足の裏


煩悩の数のコインを器に入れる

煩悩の数のコインを器に入れる





金箔を塗っている

金箔を塗っている




王宮の正門までだいぶ距離があるので、ここから入れないかなと途中の入口から入ろうとすると、係員に静止された。今はお祈りの時間でタイ人しか入れないらしい。あと一時間後の3時半になれば入れるというのでどこかで時間を潰そうと思っていると、係員がそれならおすすめの場所を教えるから周ってくるといいと言って地図も持ってきてくれた。固有名詞ばかりなので聞き取りづらいが、いくつか寺院を紹介してくれて、目の前に停まっていたトゥクトゥクに行き先を伝えさらに料金交渉もしてくれた。40バーツで周遊してくれるらしい。ありがたい。

待機するトゥクトゥク

待機するトゥクトゥク


カンボジアのトゥクトゥクがバイクと座席が分かれているのに対して、タイのトゥクトゥクはバイクと座席が一体になっている。こちらの方が揺れが少なくて快適だ。
ドライバーと自己紹介などをしながら街中を走って行く。小さなマーケットや仏像を売る店が連なる通りなど、これまでの通りとはだいぶ変わっていて楽しい。成り行きで乗ることになったけど、偶然に身を任せるのはとても楽しいと顔をほころばせながら思った。カンボジアでももっと積極的になってもよかったかもしれない。腹が減ったので日本の友人が勧めてくれたカオマンガイの店に行きたいと伝えると、2つ目の場所に行ってからのが近いのでその後に行くことになった。




早速一つ目の寺院に到着した。ワット・アルンと比べるとだいぶ小さく、人もまばらだ。何が有名かわからないがとりあえず写真を撮っていると、60歳くらいの男性が話しかけてきた。
「タイ人じゃないよね? どこから来たの?」
「日本からです」
「日本か! よく来たね! この寺はね、全てのポーズのブッダが置かれている、タイで唯一の場所なんだよ」
そう言って立っている仏像や涅槃仏には健康や幸運などの意味があると教えてくれた。
「でも何でこんな観光地でもない所に来たんだ?」
「王宮に行きたかったんだけど、今はお祈りの時間で入れないらしくて。係員が入れる時間になるまで時間潰せるおすすめの場所を教えてくれたんです」
「そうだったのか。他にはどこを周るんだい?」
寺院の名前はわからないのでもらったマップを見せる。
「ローカルでいいところばかりじゃないか。このスーツ工場もいい所だよ」
スーツ工場?と思ったがそういえば係員がfactoryのような単語を言っていたのを思い出した。まさか工場を勧められるとは思ってなかったので聞き取れなかった。ちょうど彼もそのスーツ工場でオーダーしたことがあるらしく、カシミヤで普通は1000ドルくらいするのを格安で買ったという。普段は誰も入れないが、今は確かセールをやっていて外国人も入れるから、買ってみるといいよと話してくれた。


写真を撮ってすぐ戻ってくるつもりが、だいぶかかってしまった。ドライバーに謝ってスーツ工場に向かってみる。
工場という割には入口は店そのものだ。入ってみるとすぐに中年のインド人のような浅黒い肌の男性が接客してきた。僕が日本人だと分かると、日本人もうちで買ってる人は多いよと、名前と住所を書いた伝票をパラパラと見せてきた。店内はだいぶ混み合っていて外国人も多い。寸法を測っている人もちらほら見かける。スーツ上下とベストが着いて300ドル。生地を考えれば確かに安いし、日本に帰ってからスーツを買う予定ではあったので少し迷ったが、別にタイまで来て買うこともないと断った。
「どうして?カシミヤだぜ?こんなに安いのに買わないなんて!」
と言われ、少し値下がったものの買う気はないので店を出てきた。

「買わなかったの?」
ドライバーの言葉にイェスと返事をすると、いいタイシルクの店があるんだけど行かないかと提案してきた。シルクの生地で何を売っているか知らないが全く興味はない。
「別に興味ないからいいよ。それより腹減ったからさっき話したカオマンガイの店に行ってくれないかな」
「頼む!タイシルクの店に行ってくれないか!5分でいいから!」
あまりに熱心に頼んでくるのでついOKしてしまった。

10分ほど走って店に着くが、ショーウィンドウにはスーツを着たマネキンが展示してある。さっきの工場と同じような感じだと思い、中に入らずトゥクトゥクに戻った。
「店に入らなかったの?」
「うん、別に欲しくないから」
そう答えるとドライバーはとても残念そうな顔でガックリと肩を落とした。なんだか可哀想なことをしたような気持ちになった。

カオマンガイの店に連れて行ってもらおうとすると、その店は遠いから俺のおすすめするタイレストランに行かないかと言ってきた。もう王宮の開放時間にはなっているしカオマンガイにそうこだわりがあるわけではないのでドライバーが勧める店に行くことにした。
店内はウエスタンな雰囲気で、パーティーができそうなくらい広い。ただ客は他に観光客の欧米人が3人いるだけだ。メニューに値段が載っていないのを怪しく思い、結局店員を呼び、いくつか値段を聞いてから一番安いパッタイを食べた。それでも180バーツ、観光客価格だ。

最初は楽しくていい人だと思ったドライバーだが、興味のないタイシルクの店や高いレストランに連れて行くなど、だいぶ信用ならない。さらに次の寺院に着くと
「行かなきゃいけない所があるからあとは自分でトゥクトゥクを捕まえてくれ」
などと言い出した。
「は?王宮まで連れてくってことになってるんだからちゃんと連れてってよ」
「でも時間がないんだ。もし王宮まで連れてくならあと100バーツかな」
「何言ってんの?40バーツで行くって話したんだから連れて行けって。時間ないならもう寺院はいいからこのまま王宮行ってくれよ」
「じゃあ王宮から少し離れた所で降ろしてもいいかな?入口まで歩いて5分くらいだから」
歩くのは苦ではないのでそれで同意することにした。

王宮のそばに到着すると、道沿いにお土産の屋台がたくさん並んでいる。ここでもお土産見ていかない?と言ってきた。こんな小さな屋台で何か買って、ドライバーにバックがあるのだろうか。もちろん買わなかったが、ここまで勧められると楽しい気持ちにもなった。


もう5時近くになっていて、王宮の開放時間はとっくに過ぎている。何時までやっているんだったかとガイドブックを見て驚いてしまった。営業時間は3時半まで、王宮の係員がこの時間以降にくるといいと言っていた時間だ。完全に嘘をつかれた。ドライバーには不信感を抱いていたが、係員もグルだったのか。いやあの人は係員ですらなかったのか。まるでインドじゃないかと一人声を上げて笑ってしまった。これまで観光をメインにしてきたが、これだ、こういう価値観を揺さぶられるような体験がしたかったんだ。スーツを買わなかったからこそ思えることだが、ただ観光をするだけよりよっぽど楽しい体験ができた。


カフェで少し休んでから、日本の友達が勧めていたバーに行くことにした。川のそばにあり、夜になるとライトアップされたワット・アルンがきれいだという。
店に入るとルーフトップテラスを勧められた。なるほど確かに良い眺めだ。店内もタイらしからぬ雰囲気だ。


ビールといくつかつまみを頼み、ネットでさっきのスーツ工場について調べてみた。
「バンコク スーツ 詐欺」で検索するだけで被害に遭った人の体験談がたくさん出てきて、やはりスーツも粗悪品の詐欺、さらに寺院で話しかけてきた人もグルだったということも書かれている。いい人だと思っていたので信じたかったが、やはりあの人もそうだったのか。僕が寺院に来るまでずっと待機していたのだろうか。



ホテルの近くに、バックパッカーの聖地と呼ばれるカオサンロードという通りがある。朝通った時は閑散としていたが夜はどうだろうかと思いのぞいてみた。
通りに入って驚いたのは観光客の数だ。歩くのも大変なほどの人数が集まっていて、まるで新年でも明けたみたいにみんな騒いで酒を飲んでいる。そこらじゅうでエレクトロダンスミュージックがかかっていて、一心不乱に踊る人、ダンスバトルで盛り上がる人など、たくさんの人でごった返している。一杯飲んで行きたいが、腹がふくれている上に時間も遅めなので、明日の夜に改めて行くことにした。

カオサンロード

カオサンロード


タイ式マッサージの店

タイ式マッサージの店


宿に戻って寝る支度をしていると、バックパックを抱えて中国人のようなアジア系の女の子がやってきた。流暢ではない英語で、ドミトリーの自分のベッドがどこにあるかわからなと言っていたので教えてあげた。アジア人が増えたからか英語ネイティブが増えたからかわからないが、なんとなくほっとした気持ちになった。

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